2008年10月05日
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盛り土のある下高井戸2丁目2の水道用地の謎

Written By: 川俣 晶連絡先

 桜上水Confidentialさんよりメールを頂きました。

 そこに、すぎなみ学倶楽部のホームページに「高井戸の地名の起源をさぐる」というコーナーに記載された墓所についての話題が書かれていました。

 少し最近思うところもできたので、これについて簡単に書いておきます。

場所 §


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 黄色のピンが防災倉庫。緑が墓所。赤は、参考までに通船問題に揺れた玉川上水に作られた皮肉な存在としての「船の遊具」の位置。カメラは下記写真の撮影位置です。この位置より北西方向を撮影しています。写真左側が水道用地です。

水道用地

現状 §

  • 玉川上水に沿った細長い土地である
  • (おそらく)水道用地である
  • 柵で立ち入り禁止になっていて、植物が多い
  • 道路で分断され、2つに分かれている (西エリア、東エリアと仮称)
  • 敷地全域に盛り土がなされていて、土地が高くなっている
  • ただし、防災倉庫の部分だけは土が削り取られて水平になっている
  • 盛り土の上に墓がある

§

 謎はいろいろありますが、最大の謎は「なぜ土を盛り上げておく必要があったのか」でした。当初、玉川上水を開削したときの残土が放置されたもの、とも考えましたが、たったこれだけの土だけ処理されずに残るのも不自然です。

 しかし、最近桜上水Confidentialさんが玉川上水の軍事利用説の一環として、玉川上水を切って水を流す可能性の示唆を読みました。そこからはたと気付いたことがあります。

 人為的に切ることができるなら、自然災害等で切れてしまうこともあり得るのではないか?

 その際の修復用の土は、近くに貯めておく価値があるのではないか?

 今なら土嚢にするのかな……。

 そこまで考えが及んだとき、唐突に閃きました。

 防災倉庫なら土嚢用の袋がストックされているかも知れない!

 もしそうなら、この場所には袋と土がワンセットで用意されていることになるぞ!

 つまり、盛り土と防災倉庫をワンセットで置くことには意味がありそうだぞ!

土嚢より

中詰めの土砂は、災害対策用に用いる場合には土嚢同様、所要量をあらかじめストックしておく必要がある。

うろ覚えの記憶 §

 このあたりは、玉川上水脇から下高井戸駅方面に抜ける定番の道路なので、子供の頃からよく利用します。その記憶を辿ると、この防災倉庫は当初は存在しておらず、おそらく昭和50年代以降に作られたものではないかと思います。

 ということは、「防災倉庫+土」という黄金ペアはそれ以降に成立したものと思われます。

 つまり、それ以前の盛り土の存在意義は明確ではありません。

 ちなみに、それ以前から盛り土があったことは間違いありません。

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